アルティメットヒッツ ドラゴンクエストV天空の花嫁
人気ゲームソフト「ドラゴンクエスト」シリーズ9作目の最新作が、任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」向けに制作されることになった。現行のドラクエはソニー・コンピュータ・エンタテインメント(SCE)の「プレイステーション(PS)2」向けだったが、PSから乗り換える。人気ソフトはゲーム機の売り上げをも左右するだけに、ニンテンドーDSの“独り勝ち”に拍車をかける可能性もあり、ソニーにとっては大きな痛手だ。
ドラクエの最新作は「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」で、制作するスクウェア・エニックスは発売時期を来年中、価格は未定としている。無線ネット機能に対応、複数のプレーヤーが協力して敵と戦うなどして一緒に遊べるのが特徴。
ドラクエが携帯型ゲーム機向けに発売されるのは初めてだが、昭和61年の発売以来高い人気を維持し続けているゲームソフトで、これまで関連ソフトを含めて4100万本以上が売れた、国内ゲーム市場の“帝王”。
6作目までは任天堂のゲーム機向けとして開発されてきたが、平成12年に発売された7作目「エデンの戦士たち」からはPS系向けに変わった。
それがここに来てPS系から携帯機へと転向したのはなぜだろうか。ゲーム業界関係者は、「カギは開発費の高騰と驚異的なDSの売れ行きにある」と指摘する。
「現在のソフト開発費は平均して3−5億円とされているが、それがPS3などの次世代機になると8−10億円にもなるといわれる。ゲームショーでデモ機として初めて登場したPS3をみた開発者の多くが、映像のキレイさには感心したものの、自分たちがそこまで作り込もうとは思わなかったと話していたように、金がかかりすぎる」
その点、携帯型なら開発費ははるかに安くつく。しかもDSは16年12月の発売以来、これまでに1200万台以上を売り上げているお化け商品だ。
当然DSで使えるソフトも売れ行きは好調。今年5月発売の「Newスーパーマリオブラザーズ」は世界で約400万本、昨年5月発売の「脳を鍛える大人のDSトレーニング」シリーズも約700万本にもなる。そこにドラクエが加われば「鬼に金棒」となる可能性が高い。ただ、スクウェア・エニックスはSCEを見限ったわけではない。もう一つの看板ゲームソフト「ファイナルファンタジー」シリーズの最新作は、PS3向けに投入することを今年5月に公表している。さらにSCEは大株主でもある